チープカシオとは言うものの、その機能美はチープさを感じさせない。
痛いほどの大雨にも、オープンで焼かれているかのような暑さにも屈しない。それでいて価格はとてもチープだ。
お値段以上が過ぎる。
ロレックスより、チープカシオの出番のほうが圧倒的に多い。
マイ・チープカシオはF-105W-1Aというモデル。ELバックライトを搭載しているのが特徴で、他のモデルより暗所で時間を確認しやすい。
主に自転車に取り付けて使っている。
チープカシオ 伝説の数々
- ダイビングしても壊れなかった
- 20年振りに土の中から出てきたのに故障なし
- 洗濯しても壊れなかった
- ローマ法皇が使っていた
チープカシオとは、なんぞや。改めて調べてみると、カシオスタンダードやカシオコレクションシリーズの別称らしい。エルエルビーンのブーツを、愛を込めてビーンブーツと呼ぶようなものだろうか。これまで通り、カシオの低価格帯の腕時計という認識でも問題なさそうだ。
嘘か真か、そんなチープカシオの伝説は事欠かない。
小学生〜テ□リストまで御用達だ。
F-105W-1AWJHが良い
チープカシオには数々のモデルがあるけど、僕はF-105W-1Aを使っている。2018年に購入して、すでに旧型となっているみたいだ。後継はF-105W-1AWJH。公式サイトによると、仕様に変更はないそうだ。
自転車用として使うようになった現在、F-105Wは最良の選択だったと思う。
当時は機能差なんて調べもせず、ただ直感で選んだ。種類が多くてどれを買えばいいかわからず、なんとなくで選んだのが実際のところ。けど改めて選ぶとしたら、またF-105Wを選ぶ。それは機能性と、実際に使って信頼性があるから。
驚異の耐候性:雨も日光もへっちゃら
F-105Wを購入した当時は、自転車ではなく原付用で使っていた。古い原付だったから、時計なんて機能は付いてなかった。だから腕時計をハンドルに巻いていた。
原付にまったく乗らなくなってからは完全に屋外放置。カバーもかけず、雨風に打たれるのは当たり前。梅雨のゲリラ豪雨や台風に何度も遭っている。直射日光による温度上昇や紫外線によるダメージも相当だったと思う。そんな過酷な環境で半年間、ただハンドルに巻いて放置していた。
ある日、気まぐれでF-105Wのことを思い出した。5年以上前のことだから詳しくは覚えていないけど、腕時計がほしくなって、チープカシオの存在を思い出したような気がする。どうせ壊れているからと期待もしていなかったけど、まさかの時を刻み続けていた。バンドがちぎれることもなかった。100年休まない大きな古時計もびっくりだ。
梅雨の嵐にも、真夏の直射日光にも負けない。そして2024年現在まで1度も電池交換をしていない。
F-105Wなら手洗いで水が掛かるのは気にしなくていい。
軽量コンパクト:邪魔にならない
F-105Wは軽量でコンパクトだ。
- 地面に手をついたときに骨折しにくい
- グローブや袖口と干渉しにくい
- 車体に取り付けても目立たない
ゴツい時計と比較すると、上のようなメリットがある。
文字盤が大きな腕時計と比べると文字が小さいのはデメリットだけど、アラサーの視力であれば自転車に取り付けても問題はなかった。腕に巻くなら、なおさら問題にはならないと思う。
古い原付バイクの振動でも壊れない
1980年代に発売された古い原付バイクに取り付けていた。カブ系のエンジンを積んでて、キックスターターしか無いようなバイクだ。
新しいバイクに乗ったことはないから比較できないけれど、排気ガスは臭いし、たぶん振動もある方なんじゃないかな。
そんなバイクに取り付けていたF-105Wは、故障無しだ。
アナログではなくデジタルだから、振動にも強いのだと思う。自転車に取り付けて日が浅いけど、きっと大丈夫だ。
ELバックライト:夜間でも見やすい
大半のチープカシオと違い、F-105WはELバックライトを採用している。つまり、暗いところでも時間を確認しやすいということだ。
ただのバックライトだと画面の一部だけ明るく、大部分は影ができたようになって見にくい。しかしELバックライト搭載のF-105Wは、画面の隅々まで明るくなるため、日中と同じように時間を確認できる。
ボタンを押し続けてバックライトを点灯させる必要があるから、夜、自転車で走行中に確認するのは難しい。だけど、信号待ちでは簡単に操作できる。田舎は街灯が少ないから、ELバックライト採用はF-105Wを選ぶ大きな理由になりうる。
最強のタフネス(価格)
- 台風もへっちゃらな防水性
- 薄く軽くて邪魔にならない
- バイクの振動でも壊れない
- ELバックライトで夜間の視認性が抜群
これだけの機能、タフネスを備えているチープカシオのF-105W。
もっと頑丈な腕時計はあると思う。それこそカシオのGショックがそうだ。 だけど、わずか1000円台で、これだけのタフネスを実現した腕時計が他にどれだけあるだろうか。
頑丈とはいえ高価なものを雑に扱うのは気を使う。チープカシオならうっかりズボンと一緒に洗濯しても、精神的ダメージは少ない。そして、そもそも壊れない。
安価とはいえ、デリケートなものを雑に扱うのは気を使う。僕は100円の商品でも吟味して買うし、壊れたら落ち込むタイプだからなおさら。けど、チープカシオは嵐が来ても壊れない。壊れても、精神的ダメージは少ない。なぜなら安いから。
チープカシオ、中でもF-105Wは頑丈かつ安価で、ある意味で最強のタフネスを持ち合わせた、稀有な腕時計だと思う。
キッチリした場面ならA168もあり
F-105Wの欠点と言えば、カジュアルな印象が強く、お堅い職業では使いにくいところ。もしキッチリした場面用の腕時計が必要になれば、A168を選ぶ。
ビジネス用途で使いやすそうなデザインのチープカシオはたくさんある。けれどA168がいい。
なぜなら、ELバックライトを備えた数少ないモデルの1つだから。
田舎在住かつ自転車で使うとなると、「暗いところでも見やすい」という機能はほしい。
ELバックライト搭載だからといって高価になるわけではないから、わざわざELバックライトが付いていないモデルを選ぶ理由がない。
F-105WとA168のどちらを選ぶかと言われたら、きっとF-105Wを選ぶ。
付属の樹脂ベルトは自転車に巻いてもカチャカチャ鳴らないし、雨風に耐えてきた実績を身を以て知ってるから。
ソーラー発電モデルもあるけど、F-105Wは2018年に購入してから電池交換を1度もしていない。だからソーラーに必要性を感じない。
自転車に取り付ける
腕時計だから、もちろん腕に巻けばいい。
だけど自転車で使うなら、自転車に取り付ける手もある。安価で頑丈なチープカシオだからこそだ。ロレックスを自転車に取り付ける気にはならない。
外出前に腕に巻く必要がないから、バタバタする朝でも安心だ。
ハンドルに巻く
まずはシンプルにハンドルに巻く方法。
メタルのバンドでは傷やカチャカチャ音が気になるけど、ラバー系のバンドであれば気軽に取り付けることができる。文字盤の裏にはクッションを貼るなどの工夫をするとなお良い。
アウターケーブル固定を兼ねて
チープカシオでアウターケーブルを受ける。 pic.twitter.com/v6G2Fa0CXp
— SLOW CYCLING/街乗り自転車 (@slowcycling874) April 18, 2024
何気なくXに投稿したら、思いの外、いいねが付いた。
トップチューブ上でアウターケーブルごと巻きつける。文字盤が正位置にならず少し見にくいが、一石二鳥で気持ちがいい。
1つのものに2つ以上の役割を与えるのは、UL(ウルトラライトハイキング)の基本。アウトドアをかじっていたおかげで思いついた方法だ。
車体に傷が付かないよう、フレームにテープでも貼っておくと安心だ。文字盤裏にクッションを貼るとなお良い。
面ファスナーで貼り付ける
ベルトを外して、面ファスナーで車体に取り付ける方法もある。僕はJanddのフレームバッグに取り付けた。
腕時計としては使えなくなるけど、見た目はいちばんスッキリとする。ただ、不意に当たってしまったり蹴飛ばしてしまうような場所だと、あっさり取れるから注意。
加えて、取り付けには平面の場所が必要だから、汎用性は低い。
ロレックスも持ってるけど出番がない
ロレックスの腕時計も持っているけど、正直、まったく出番がない。
僕は腕時計を付けない。着脱がめんどうだし、たまに時間を確認するだけならスマホをポケットから取り出せば十分だから。せっかくなら使いこなしたいけど、高級過ぎて日常的に身につける気に一切ならない。恐ろしすぎる。
腕時計を使うと言えば、自転車に取り付けるぐらい。だから、僕にはロレックスよりチープカシオが最適。
チープカシオのように自転車に巻きつける?無理無理無理。
ロレックス | チープカシオ | |
電池 | 手巻き | 7年 |
重量 | 83.6g | 22.3g |
価格 | 数十万 | 2000円 |
ロレックスは定期的に巻かないと時が止まってしまう。チープカシオは7年、何もしなくていい。
ロレックスのほうが高価なのに、チープカシオのほうが軽量だ。
時間を確認する、という目的にはチープカシオで十分だ。ロレックスは腕時計以上のナニかを求める物だと思う。改めて見ると、とても素敵だけど。
まとめ
- 優れた防水性で雨はへっちゃら
- 軽量コンパクトで邪魔にならない
- 原付バイクの振動でも壊れない
- ELバックライトで夜間も見やすい
- 頑丈かつ安価で最強のタフネス
チープカシオのF-105Wは、腕時計の1つのアンサーだ。安く頑丈だから扱いに気を使わず、時刻を正確に表し、そしてかっこいい。
自転車では日光、雨、汗、振動に晒されるけど、チープカシオならきっと大丈夫。
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