サイクルボトルに大きな不満があった。それは飲み口がむき出しで汚いこと。むき出しの飲み口は長所でもあるけど、僕には短所でしかなかった。
だからmade in USAのナルゲンボトル1Lに買い替えた。
水を運ぶだけだから、ナルゲンボトルはいらないと言えばいらない。重いし、保温性もない。もっと高性能なボトルはあるし、安価で超軽量なペットボトルだって。
だけど、僕はナルゲンボトルがいい。
動機:サイクルボトルの飲み口が汚い
趣味として自転車に乗り始めて5年近く経つ。その大半はサイクルボトルを使用していた。だけど、もううんざりだ。
- 排気ガスやホコリ、泥水にさらされて汚い
衛生面が気になって仕方がない。
数年前、冬に近所の山に登ってハンモック泊をしたことがある。周りは真っ暗だけど、月明かりのおかげで、ぼんやりと周囲を確認できる。
茂みからガサガサと野生動物の存在を感じる。(おばけが)怖くて仕方がない。寝付けない。そんな状況でもふんわりとした月の光を浴びると、体内のコルチゾールが減少していくような気がする。みんな空の下とはよく言ったもんだ。
さて、そんなこんなで朝を迎えた。時刻は5時。まだ真っ暗だ。することもないので帰り支度を進める。
「なんか寒い」
最初は寝不足と冬のせいだと思った。気にすることもなく下山し家に帰った。するとみるみるうちにしんどくなった。ぶっ倒れて身動きが取れなくなった。39℃の表示も納得のしんどさだった。もし朝起きて山頂でのんびりしていたら、3時間後にはしんどすぎて下山できなくなっていた。
なにが原因だったかはわからないけど、可能性があるとしたら緊張状態かつ寝不足が続き、トドメの衛生面だと思う。猫や鹿の糞がそこらに転がっていたし、汚い手を洗いもせずに食事をした。
こんな経験があるから、自転車やアウトドアでの衛生面には少し敏感になっている。
林道や山道など未舗装路を好んで走る僕には、飲み口がむき出しのサイクルボトルは抵抗がある。知らず知らずのうちにイノシシの糞が飲み口にかかっているかもしれない。街中を走るだけでも、車が吐き出した物質や大気中のホコリが付着しているはずだ。それを水と共に体内に流し込むのはキツい。
先日、雨の林道に行ってサイクルボトルの飲み口が泥にまみれた(地面に落としただけ)。買い替えようと決めた。
購入理由:自転車の水筒は蓋付きがいい
- 蓋付き
- 手入れしやすい
- 太く短く大容量
ボトルを新調するにあたり挙げた条件がこれだ。
蓋付きがいい理由は上述した通り衛生面で。そしてデイパックに収納するときのため。サイクルボトルだと水漏れが心配でバッグ内に入れたくない。
手入れがめんどうだと、ボトル使用後の手間を嫌って、手ぶらで出かけて水分補給を我慢することがある。日常的に水分補給をするためにも、手入れが簡単なのは必須。洗いやすく、そして乾かしやすく。
太くて短い大容量ボトルがいい。1Lはほしい。理由は2つ。
まず愛車SURLY スチームローラーには、ボトルケージを取り付けるためのダボ穴が1箇所しかない。だから1本のボトルでたくさんの水を運べるように大容量がいい。
2つ目。導入したJanddのフレームバッグがあまりに便利で手放せないから、フレームバッグありきでボトルを選ぶことになる。1Lクラスのサイクルボトルは細長い。フレームバッグと干渉したり、取り出しにくくなる。だから太くて短いボトルのほうが好ましいのだ。
あとはノリが合えばいい。
ナルゲンボトルしかなかった。
蓋付きサイクルボトルじゃだめ
上述した通り、サイクルボトルは蓋がない。一部、蓋付きの製品もあるけど、選択肢がかなり狭い。パーツが増えると手入れの手間も増える。それにどうせ蓋を開けるなら、サイクルボトルにこだわらなくていいと思った。
ペットボトルは安くて軽くて、どこでも手に入る素晴らしいボトルだ。だけど嫌いだ。なぜなら、どうしても使い捨て感が否めないから。性質上、何年も使うタイプのボトルではない。使い捨てカイロも割り箸も好きじゃない。劣化のカーブが緩やかな道具が好きだ。そもそもペットボトルの飲み物なんて滅多に買わない。繰り返し使うにしても乾燥させにくいという問題がある。
すべての条件を満たしたのが、ナルゲンボトル 1Lだった。
ずっと、いらないと思ってた。
実をいうと、ナルゲンボトル1Lを買うのはこれで3度目だ。
初代ナルゲンボトルは青色だった。中の液体が不味そうに見えたこと、そして色付きはカビが生えても気づきにくそうという理由から手放した。
2代目は教訓を活かして、無色透明にした。中に麦茶を入れても美味しそうに見える。汚れもわかりやすい。けど、わざわざナルゲンボトルを買うのに透明なんてつまらないと思い、再び手放した。
そしてなにより、初代と2代目に共通する理由がある。それはやりたいこととナルゲンボトルのミスマッチだ。つまり、いらない物だった。
当時はしっかり体を鍛えて、しんどい旅をしたかった。自転車に興味を持ったキッカケがそれだったから。だからナルゲンボトルの欠点である重さをどうしても許容できなかった。装備は合理的に。軽量化は絶対にすべきと思い込んでいた。
けど、どうも楽しくない。自転車にハマり切れない。そして、本当にしたかったのはハードな旅ではないと、2024年になってようやく認めることができた。
お気に入りの自転車で買い物に行ったり、たまに遠出してキャンプしてみたり。そういうのでいいんだと。
合理的な装備構築も大事だけど、いまの僕にとって、それは絶対条件ではない。好きとか使いたいという直感的な感覚も大事にしたい。
それに、ナルゲンボトルは重量(実測177.4g)にさえ目をつぶれば、
- 頑丈
- パッキンがなくて洗いやすい
- 広口で乾かしやすい
- 広口で飲み物を注ぎやすい
- 蓋を落とさず扱いやすい
- 夏は凍らせて冷たい水を飲める
- 冬は湯たんぽに
- オマケにかっこいい(アメリカ製)
機能的にもかなり魅力のある水筒だ。
2024春、僕がやりたいこととナルゲンボトルのノリがピタリと重なった。
3度目の正直、今度は長い付き合いになるといいな。
ミノウラ SNB-150 ステンレス製ボトルケージ
ナルゲンボトルは決まった。次は自転車にどうやって積載するかだ。
サイクルボトル用、ペットボトル用のボトルケージは数あれど、ナルゲンボトル1L用となるととたんに選択肢が少ない。
積むだけならブラックバーンのカーゴケージのような、積載性に優れたものを使えばいい。しかしこれらはバンドで縛って固定するから、気軽に水分補給ができない。
予備の水ならそれでもいいけど、僕はナルゲンボトルをメインに据えるつもりだから、やはりすぐに取り出せる形のボトルケージがいい。
ステムポーチを使う手もあったけど、立ちこぎで膝が当たりやすい。坂が多い地域に住んでいて立ちこぎをよく使うから、ステムポーチは避けたい。
いくつか選択肢があったなかで、ミノウラのステンレス製ボトルケージにした。
ナルゲンボトル1Lが収まるケージを探すと、すぐにgrungeのものがヒットした。調べた中でいちばん安かったからこれにしようと思った。
僕は通販ばかり使う。田舎在住かつ人混みが嫌い、慣れない場所が苦手ということもあり、実店舗には行かない。イオンの自転車屋さんに防犯登録をしに行くぐらいだ。
当然、grungeのボトルケージも通販で探した。本体は比較的手に取りやすい価格だけど、送料が770円とかする。まとめ買いで送料無料にはなるけど、他に買いたいものがなかった。
grunge+送料の金額で、ミノウラのSNB-150が買えると気づいた。SNB-150はステンレス製で丈夫そうだし、これまでサイクルボトル用にミノウラのデュラケージを愛用していたから、信頼もある。海外のイケてるブランドではなく、イオンバイクやあさひに置いてあるミノウラというブランドの選択が、とっても普通でそれまた良い。
だから、ミノウラ SNB-150に決めた。
さっそく深手を負う
ナルゲンボトルとボトルケージが同時に届いた。袋を開封してさっそく取り付けてみる。
おや?ナルゲンボトルが入らない。グリグリ。よし、入った。
なんてことだ。新品のナルゲンボトルに深めの傷が入った。どうせ自転車で使っていれば傷だらけになる。とはいえ、ちょっと萎えた。そういえば2代目ナルゲンボトルも初使用で山を転げ落ちて傷だらけになったっけ。
ボトルケージの背中上部が曲がっている。ナルゲンボトル1Lをはめてみるとわかるけど、ちょうど引っかかって押さえになっている。荒れたグラベルを走るには心強い。
だけど、この曲がりが邪魔で、傷覚悟で押し込まないとボトルが入らない。角度を変えてちょっと横から差し込んでみても意味なし。
ミノウラのサイクルボトル用のケージも同じ形をしてるけど、こんなに固くない。サイクルボトルに比べてナルゲンボトルはカチカチだし、ケージもアルミとステンレスで違うから、出し入れの感じも変わるのか。
だからボトルケージを手で少し広げた。力はいらない。これでさっきより出し入れがスムーズにできる。傷だらけになる前にすべきだった。代わりに保持力が落ちるから、使いながらいい塩梅を見つけたい。
grungeのナルゲンボトル用ケージも同じような形をしていたけど、アルミ製だから出し入れは比較的しやすいかもしれない。
ナルゲンボトル1Lが使えるボトルケージ
- 【grunge】 ナルゲン3ケージ
- 【ミノウラ】 SNB-150
- 【VELOORANGE】 mojave water bottle cage
- 【WIDEFOOT】 Liter Cage
安い順に並べた。
grungeは安い。重量は80g。この中で唯一のアルミ製。ステンレス製のほうが丈夫みたいだから、ハードに使うなら避けたほうが無難か。
VELO ORANGE のデザインはすごく好きだけど、重量が158gもある。
WIDEFOOTにいたっては170g。
どちらも丈夫なんだろうけど、僕にはそこまでのアドベンチャーは必要ない。価格も高いし、軽いに越したことはない。
結局、grungeとミノウラの2択になる。
ステンレス製のほうが丈夫だから、田んぼの脇道や林道なんかを走る僕には、やっぱりミノウラのほうが向いてると思う。
広口で氷を投入できるから冷凍する必要がない
ナルゲンボトルの1Lは広口だ。だから家で作った氷をそのまま投入できる。
前日に冷凍し忘れても問題ない。家を出る前に氷を詰めて行けばいいだけだから。
なにより、大きなナルゲンボトルで冷凍庫を占領しなくて済むのが良い。僕は業務スーパーの冷凍野菜を重宝しているから、冷凍庫のスペースにそこまで余裕がない。冷凍庫がいっぱいでナルゲンボトルが入らないなんてことがザラにある。
だけど、その大きな口から氷を投入できるから、冷凍しなくても問題ない。買い物に行くだけだからと油断して、熱中症になりかけたことがある。そもそも暑いと自転車で出る気が失せる。ナルゲンボトルでキンキンに冷えた水を運べたなら、少しは汗をかく気になるってもんさ。
まとめ
- サイクルボトルは飲み口が不衛生
- 蓋付き、手入れしやすい、太くて短い形の大容量がほしい
- ナルゲンボトル1Lがドンピシャ
- ボトルケージは価格とステンレス製か決め手になりミノウラ SNB-150に
- 冷凍し忘れても、大きな口から氷を詰めれば済む
学生時代、俳優の二階堂ふみさんにハマった時期がある。たしかキッカケはアナザースカイだった。僕はアナザースカイを観ると誰彼構わず惚れてしまうのだけど、二階堂さんのことは特に好きになった。なんでかは覚えていない。
写真集とかそういうのを買ったことはなかったけど、人生で唯一、二階堂さんのは買った。リリー・フランキーさんとか、いろんなジャンルのタレントと対談してる内容で、なんかサブカル的な雰囲気のやつだ。
上の動画に映っているけど、そんな二階堂ふみさんもナルゲンボトルを使っているみたい。だからどうしたという話なんだけど、ナルゲンボトル、イイヨ。
次の記事へ>>>USA漂うJandd フレームバッグ
コメント